仕事に役立つアイデア発想法
一人ブレスト~SCAMPER
|
アイデア発想にはコツがある。
好奇心と情熱が何かを生む…
アイデア力や発想力は一種の才能だと考えている人は多いようです。でも、心掛けとトレーニング次第で脳を創造的に改造することは可能です。ここでは仕事に役立つアイデア発想法をどのように身につけるかについて、ブレーンストーミングやアイデア発想の心得という観点から考えてみました。アイデア発想のノウハウを述べる前に、誰でも潜在的に持っている資質についてお話しておきます。それは好奇心と情熱です。好奇心は幅広い知識の獲得や、現実を変えようという問題意識につながります。その問題を解決しようとする情熱に支えられて、新しい何かが生まれるのだと思います。
アイデアと知識は相反するもののように思われますが、お互いを補完するものです。一見ムダとも思える関連性のない知識が、いつどこでヒントを与えてくれるかもしれません。
仕事と離れた趣味や雑学が、企画・開発に生きてくる
私は若い頃に、自分の仕事とはなるべく関係のない趣味や読書を努めて楽しむようにしていました。むしろ、仕事に役立たないことを誇りにしていたほどです。今思えば、若者にありがちな一種の気負いと粋がりだったわけですが、30代半ばからそれが意に反して(?)役立ってしまったのです。
最初に役に立ったのは囲碁通信講座の初級、中級、上級の棋力別・教材構成を考える仕事です。このときは担当部門ではなかったにもかかわらず、社長からの指名でした。数年後に将棋の趣味も仕事に生かせました。そのほか、自己暗示に関連する心理学や、難解漢字、手品のトリック、古代史などの知識が、商品開発の提案や教材構成企画、広告コンセプト作成などの仕事で次々と役立つことになったのです。
社会人になって最初に経験したディスプレイの仕事さえもが、インテリア・コーディネーター講座開発の人材発掘や折衝に役立つに至って、どんな知識・経験も仕事に役立たないことはないと、私は確信しました。
アイデア発想は、知識や経験の混沌としたごった煮の中から、ミスマッチとも思える組み合わせを抽出するのに似ています。それがおいしいかどうかは、あとの問題です。一つのヒットを生むためには、百のばかばかしくも楽しい思考の実験が必要なのです。
雑草の中から美しい花を咲かせる種を発見する喜び。凡人が優れた企画を生む仕組はそこにあります。
〔仕事に役立つアイデア発想法〕の内容ブレーンストーミングを成功に導く〔5つの準備〕 ブレーンストーミングはアイデア発想の優れた会議方法で、1953年に生まれました。ブレストの主旨や手順と、奔放な発想、批判の禁止…など参加者にとって重要なことや、5つの準備、司会者の役割などを解説しています。 ブレーンストーミング失敗の多くはメンバーの人選… ブレーンストーミングで成果を得るためには人選が大切です。ひと言でいえばバラエティーに富んだメンバーということになりますが、話し上手・聞き上手な人やボケ役、個性的な人、専門バカ、優等生タイプなどの人材が必要です。それぞれの役割の重要性について詳しく解説しています。 一人ブレストで4人分のアイデアを出す方法 ブレーンストーミングは、10名前後で行われることが多いのですが、それを一人やろうというアイデア発想法が「一人ブレスト」です。突飛なアイデアをたくさん出すには、視点を変えるさまざまなテクニックが必要です。価値判断は厳禁で、検討はアイデアを出し尽くしてからです。 アイデアを生み出す法則=SCAMPERとは アイデア発想のための7つのチェックリスト「SCAMPER」をご存知ですか?これを利用すればアイデアが出やすいばかりでなく、発想力が高まります。この他「加減乗除の発想法」も有名ですが、SCAMPERのほうが実用的。 アイデアはどこから来るか?/アイデア発想の心得 アイデアは心の深層から生まれるもので、理屈から生まれるものではありません。そこでアイデア発想の「心得」なるものをまとめてみました。まずは「なぜアイデアが必要なのか、問題点を考え抜く」「アイデアの出発点に執着しない」の2点の大事さを説いています。 |