脳を鍛える脳力トレーニング

趣味で脳を活性化―絵画、音楽、自分史…
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趣味で脳を活性化―絵画、音楽、自分史…

テレビ、スマホに偏った
日本人の余暇の過ごし方

 ある調査によると、日本人の余暇の過ごし方の上位は、①テレビや新聞・ラジオ、②家族との団らん、③ショッピングや飲食、④無為に過ごす…だそうです。古いデータなので、2位の家族の団らんは今はもっと下位になっているかも知れません。また、若い世代ではスマホを手にする時間が急速に多くなり、若年性の老眼が増えているとか…。

 いずれにしても、仕事以外での日本人の時間の使い方は、何かを見る、つまり受け身の過ごし方が多く、それ以外では家族となんとなく過ごしたり、買い物や外食を楽しんだり…と、ひたすら脳を休めているようです。趣味に打ち込むとか読書をするといった余暇の過ごし方は、欧米諸国に比べて著しく少ないのが我が日本の現状です。

 日本人は仕事でエネルギーを使い果たしてしまうのでしょうか? もし、そうならば、脳はかなり偏った使われ方が続くことになり、バランスが崩れることになります。ストレスに弱い脳をつくっているともいえるでしょう。

 ストレス状態が長期間続くと、がんや脳血管系疾患、心臓病などの生活習慣病にかかるリスクが高まり、うつ病や認知症にもなりやすくなります。ストレスは自覚しない場合も多く、そのほうがむしろ危ないともいえます。

 そこで本サイトでは、脳を活性化し、心を開放するための有効な方法として、継続して打ち込める大人の趣味を持つことをおすすめします。

趣味に7つの効用あり。それはすべて前頭葉につながる

 趣味の効用はいろいろあり、趣味の特性やその人の取り組み方などによって、その効果はさまざまです。
 しかし、あらゆる趣味に共通することは、楽しみながら自発的に取り組み、進歩を重ねていくいくことで、前頭葉を存分に使うことです。前頭葉は意欲にも関係し、脳全体を活性化します。

 次に、趣味にはどんな効果・効用があるかを7項目にまとめてみました。

①心が前向きになり、意欲が向上する

 仕事や日常生活の場では、思うようにならないことが少なくありません。「しなければならないので、仕方なしにやる」ことが大半を占めているのが現実です。

 でも、自分の好きな趣味ならすべて自分の意志で決め、心から楽しむことができます。やり続けることによって、その趣味に関する知識、技能、技術が高まれば、さらに深い喜びが待っています。

 趣味の世界で得た意欲は、仕事や日常生活での意欲につながり、心が前向きになります。毎日が充実した気分で過ごせるようになるでしょう。

②偏った脳のバランスを整える

 仕事で使う脳は、自分の専門領域に関する部分に偏って使います。頭を使う仕事をやっているから大丈夫とは言い切れないのです。

 趣味で使う脳は、たいていのものが左脳(言語・論理など)よりも右脳(イメージ・空間認識など)を中心に使います。また、計画、創意工夫、実行といった前頭葉の機能も、趣味はフルに活用します。

 会社組織なら、役員会と企画・計画部門、実行部門、補佐的部門、外注先などに分業化されて行われる仕事を、趣味の世界はすべて一人で行うわけですから、全脳が有機的に活性化されることは確かでしょう。

③ストレスの解消に役立つ

 社会生活を営む以上、ストレスを完全に避けることはできません。でも、小さなストレスをすぐに解消し、大きなストレスを軽減して、ストレスのもたらす精神的、身体的ダメージを未然に防ぐことはできます。その一つの有力な方法が趣味を持つことではないでしょうか。

 ストレスはあることに執着し、こだわることで生まれ、あるいは拡大されます。あるいは2つないし3つのことがどちらも捨てられない、選べない、という状態(ジレンマ、トリレンマ)からも、ストレスは生まれます。そうしたストレスはなかなか理性で解決できないので、気晴らしが必要です。

 気晴らしは、「大事なことから逃げている」と考えられがちですが、そんなことはありません。心をリフレッシュして戻ってくるのです。そして、問題解決の力を蓄えるのです。

 気晴らしにはいろいろなものがありますが、その中でもどんなストレスにも効果があるのが趣味です。自分の好きなことに没頭すれば、ストレスなど吹っ飛ぶでしょう。

④ボケ防止に効果がある

 ボケ(認知症)は物忘れから始まるといわれますが、前頭葉(厳密には前頭前野)の機能が衰えてくる病気でもあります。

 前頭葉は計画、創意工夫、実行などをつかさどる脳の司令室の役割を担っていますから、この機能が弱まると普通に人間らしく生活することが困難になってきます。

 趣味の多くは脳全体をまんべんなく使いますが、その中でも前頭葉の働きが欠かせません。あまり頭脳を使っていないように見える趣味でも、実は高度な人間の精神活動が前頭葉で行われているのです。「趣味を持った人はぼけにくい」といわれるのはそのためです。

⑤周囲の人に認められる

 趣味は一人でできるものと、囲碁・将棋や合唱・合奏など、一人ではできないものがあります。一人でやる趣味のほうが圧倒的に多いのですが、決して孤独ではありません。ある程度上達してくると仲間を作ったり、サークルに入ったりして、人の輪を広げることができます。

 物を作る趣味では、家族や家を訪れた人がその作品を見てほめてくれるかもしれません。お世辞でもよいのです。うまく乗せられて、本当にうまくなればよいのですから…。

 趣味仲間にほめられたら最高ですね。たかが趣味でも、周囲の人に認められるということは、自分の存在が認められたという気持ちになります。

 ひと頃、「自分探し」という言葉がはやりましたが、そんな大げさなものではないのです。小さな自分の積み重ね、その組み合わせの妙に自分があるのだと思うことです。自分の趣味がちょっと認められる程度でも、本当にうれしいものですよ。生きていてよかった、と思うはずです。

⑥より深い人間関係が築ける

「仕事の人間関係は浅いものだ」などというつもりは毛頭ありません。しかし、打算と生存競争が渦巻く仕事の世界で本当の信頼関係を築くには、運と努力が必要です。趣味の世界にはそれがありません。

 社会的な人間関係が築きやすいのは、共通の目標を持ったもの同士か、共通の敵を持ったもの同士です。後者の関係は一時的でもろいものですが、趣味の場合は「好きな世界」という共通の土俵を持っています。もちろん、良好な人間関係には性格的な相性も影響してきますが、その不足分を補って余りあるのが趣味という強い絆です。

⑦新しい個性や才能を発見

 ほとんどの趣味は才能などなくても始められます。そもそも、入門以前から才能を持った人など存在するのかどうか…? あまりの面白さに、ついのめり込んでしまって、その結果上達するというのが普通のパターンです。

 人よりも上達が早いと、「ひょっとして才能があるのかな」と思うことがあるかもしれません。あるいは人からそう言われることもあるでしょう。趣味が高じて仕事になってしまうのは、こんな場合です。

 でも、趣味が職業となるとあまり楽しめなくなるかもしれません。それで飯が食えなくても、プロ級の腕を持っている喜びのほうが大きいかもしれません。これは人によりますが…。

 私(管理人)自身の経験をいいますと、若い頃、文章を書く趣味が高じて、ついに出版界に転職したことがあります。その後も、いくつかの趣味が仕事上の企画立案にかなり役立ちました。編集という仕事は、その道のプロ(時にはトップクラスの人)と直接会ってお話ができるんですから、自分の趣味が仕事に役立ったときの気分は格別です。

〔趣味で脳を活性化―絵画、音楽、自分史…〕の内容


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