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運動で頭が良くなる脳の仕組み

頭の良さとは、知識力+問題解決力+創造力


 「運動すると頭が良くなる」と聞いて、「そうだったのか」と素直に納得する方は少ないでしょう。昔も今も、文武両道と言われる人は少なからずいますが、「運動ばかりしていては勉強がおろそかになる」と考えるのが一般的ですね。

 でも、どんなに知識を詰め込んでも、それだけではただの「物知り博士」にすぎません。知識は少ないよりは多いほうが有利ですが、仕事や人生のさまざまな問題を解決する力になるとは限りません。とりわけ仕事においては、既存のノウハウだけでは競争に打ち勝つことはできず、常に創意工夫が求められます。頭が良い人とは、知識力に加えて、問題解決力と創造力が備わっている人なのです。

 問題解決力と創造力は、大脳の中の前頭葉(正確には前頭前野)と深い関係があります。前頭前野は大脳の司令塔ともいうべき領域で、人間が生きる上で不可欠な意欲(やる気)の源泉といってもよいでしょう。

運動が前頭前野と運動野を活性化…


 大脳は側頭葉(右脳/左脳)、前頭葉、頭頂葉、後頭葉の領域に分けられますが、そのうち前頭葉はさらに運動野と前頭前野に分けられます。前頭前野は通称「前頭葉」とも言われるので紛らわしいのですが、先に述べたように大脳の司令塔としての役割を担っており、やる気を起こすのに重要な領域です。 脳の司令塔―前頭葉の役割 参照

 前頭葉が働くと、神経細胞の軸索の末端でドーパミンという脳内物質が分泌されることが知られていますが、このドーパミンは「脳への報酬」ともいうべき「快楽」をもたらし、前頭葉を活性化します。逆にドーパミンが少なくなると、前頭葉の働きが悪くなり、意欲が低下します。

 古いタイプのスポーツの指導者は、よく「やる気を出せ!」などと怒鳴りますが、やる気は人からせかされて生まれるものではありません。自らが意欲をもって体を動かすことによって、運動野の働きが良くなり、前頭葉全体が活性化して、さらに意欲が高まっていくのです。

猿人がヒトに進化したのは、狩りをするようになったから


 話は変わりますが、人の脳が進化した理由をご存知ですか? 一般には、「猿人がヒトに進化したのは、樹から降りて直立歩行し、手が使えるようになったから」というのが定説となっています。そのため、手を複雑に使うことで頭が良くなるという説にも、説得力が増しています。

 でも、手を器用に使うことは運動前野の肥大化には貢献しましたが、前頭前野に大きく影響したとはいえません。実は、人類の脳が著しく進化した最大の理由は、二本足で長時間走ることができるようになったことらしいのです。

 直立歩行を始めた人類は、ある段階から手にものを持ち、頭を振らずに走れるようになりました。つまり、集団で狩りをするようになったのですね。ヒトは長時間の持久走に耐えられるようになり、しかも、速筋と遅筋を使い分けて自在に獲物を追いかけるようになりました。狩りをすることによって、ワーキングメモリー(短期記憶)や意思疎通のための言語も発達しました。さらにあらかじめ作戦を立て、連係プレーをするなど、高度な組織的行動もとれるようになり、それが前頭葉の急速な発達を促したのです。

 今日、人類の特権ともいうべきスポーツの多くは、狩りをルーツにしているといっても過言ではありません。狩りをしなくなった現代でも、狩りよりもはるかに高度な知的運動を私たちは手に入れているのです。

運動は、脳の異なる領域を同時に使う


 現代の人気スポーツである野球やサッカー、バレーボール、バスケットボールなどは、体力や技術・技能ばかりでなく、意欲、集中力、注意力、観察力、戦術への理解力、コミュニケーション能力などがなくてはなりません。

 特に実戦では、目まぐるしく変化する状況に対応して、様々な異なる能力を瞬時に発揮する必要があります。そうした複雑な運動をすることによって、運動野に隣接し、大脳の司令塔としての役割を果たす、前頭前野が発達したと考えられています。

健康目的のジョギングやウォーキングでは…

 さて、運動が脳に良いといっても、ジョギングやウォーキングは単調であり、通常のスポーツのように「相手と競って勝つ」という目的もありません。脳はあまり働かないように思えます。

 でも、逆にジョギングやウォーキングは大脳が自由です。車や行き交う人たちとの接触に気を付け、道路の足場の悪いところにさえ注意すれば、あとは四季折々の花や樹木、鳥や虫たちの鳴き声、朝焼けや夕焼け、青空と白い雲、洒落た店舗や住宅、犬の散歩や子供たちの遊ぶ姿…など、様々な風物を楽しむことができます。

 ジョギングやウォーキングには、そうした心を安らかにし、元気を取り戻す効果が期待できます。ストレスがたまると、免疫力が落ちて病気になりやすくなるだけでなく、脳の働きも悪くなります。ストレスの解消は、意欲の面から前頭前野の働きをよくすることでもあります。

歩き、走りながら別の脳を使う


 ジョギングやウォーキングの脳への効果を高める方法として、走り(歩き)ながら簡単な引き算をするなどのことが奨励されています。例えば300から297、294,291、288…というように3ずつ引いていくことですが、電卓に慣れた現代人には、繰り下がりがある引き算は、他のことしながらするとてこずります。700から7ずつ引き算をするのは、もっと難易度が上がるでしょう。

 この他、五十音順に知っている動物(虫も含む)の名を上げ、イメージを頭に思い浮かべるというようなことも、同時に異なる作業をいくつも行うという意味で、難易度がアップします。知っている人(有名人を含む)の名前と顔を順番に思い浮かべるのもよいでしょう。

 結論として、頭が良くなる(脳の働きをよくする)ためには、運動機能を含めた脳の異なる機能を同時に使うことが効果的だといえます。


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