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脳の司令塔―前頭葉の役割(脳の仕組み3)

大脳=前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉=の働き

 大脳は機能別に、前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉の4つに分けられます。大脳各部の大まかな機能、役割は次のとおりです。

●後頭葉
 頭の後ろの部分。視覚中枢があります。
●頭頂葉
 頭のてっぺんの部分。痛み、温度、圧力などの感覚をつかさどっています。
●側頭葉
 頭の側面、こめかみのあたり。聴覚、嗅覚、情緒、感情などをつかさどっています。
 また、言語、記憶に関わりを持っています。側頭葉に問題が起こると、記憶障害などを引き起こします。
●前頭葉
 頭の前半分、側頭葉の上前部にある領域で、前頭前野運動野運動前野に分けられます。運動野は頭頂葉に接する部分、その前方に運動前野があります。どちらも運動の遂行や準備に関わっています。

 前頭前野は、思考や創造性を担う脳の最高中枢と考えられ、生きていくための意欲や、情動に基づく記憶、実行機能などをつかさどっています。前頭前野は、脳全体の司令塔、あるいはオーケストラの指揮者にたとえられます。

 なお、一般に前頭葉といえば前頭前野のことを指します。本サイトでは特に断りがない限り、前頭葉を前頭前野の意味で使います。

前頭葉にダメージを受けると…

 ロボトミー手術という言葉を耳にしたことがありますか? 1950年代からの十数年間に世界中で盛んに行われた、前頭葉の削除手術のことです。

 向精神薬がなかった時代、精神病の治療法として十数年間になんと5万人もの患者がこのロボトミー手術を受けました。そもそもこの手術は、「チンパンジーの前頭葉を取り去ったらおとなしくなった」という動物実験から考えられたもので、当初は「精神病患者の症状が改善された」とされました。

 ところが、ロボトミー手術は重大な問題を引き起こしました。手術を受けた人たちが、感情や行動の面でさまざまなトラブルを引き起こしたのです。それは次のような、人間らしく生きていく上での致命的なダメージでした。

・外界に対して無関心、無頓着になった
・注意力がなくなり、反応性が乏しくなった。
・状況を理解したり、推理したりすることが困難になった
・時と場所をわきまえない浅はかな言動が多くなった
・我慢ができなくなり、己の感情のままに行動するようになった

 ロボトミー手術を受けた患者のこうしたダメージから、前頭葉の果たす役割がわかってきたのです。

 これと似たことですが、戦争で脳に損傷を受けた人の研究も、さまざまな部位での脳の機能をつきとめることに貢献しました。脳科学の進歩の陰には、過去に多くの犠牲者が存在することを、私たちは忘れてはならないでしょう。

意欲、創造、実行をつかさどる前頭葉

 前頭葉に最も特徴的な働きは、意欲、創造、実行です。大脳全体から得た情報を元に現状を認識し、未来に向けて行動をする司令塔の役割を果たしているのです。そのプロセスは、次のように5つに分けることができます。

①自分の環境や状況を認識する
②行動の選択肢を発見する
③計画を立てて決定する
④計画を実行する
⑤結果を評価する


 認知症になると記憶力が減退することが知られていますが、それとともに前頭葉の機能も低下します。その結果、意欲が低下し、計画を立てて実行するといった行為が困難になってきます。知識や情報はあっても判断ができない、といった状況に直面します。

 前頭葉(前頭前野皮質)の全皮質に占める割合は、人間が29%と特別多く、チンパンジーが17%、犬7%、猫3.5%となっているそうです。その上、もともとの脳の大きさの違いもあります。人間を人間たらしめているのは、まさに前頭葉だということがわかります。

 脳全体を統括し、瞬間、瞬間、未来に向かって生きるための指令を発し続けている、この前頭葉をよく鍛えることこそ、脳力トレーニングの最終目標だといえます。


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