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脳の本能=心の奥底に潜む3つの欲求とは?

「馬の脳」が発する「生きたい・知りたい・仲間になりたい」

 
  私たちの心の奥底には情動というものがあります。大脳は中心部から脳幹(爬虫類の脳)、大脳辺縁系(馬の脳)、大脳新皮質(人間の脳)に分かれていますが、情動は真ん中の大脳辺縁系で司られています。

 脳科学者(脳神経外科医師)の林成之氏によれば、ここに「脳の本能」ともいうべき3つの欲求が潜んでいるのだそうです。その欲求とは、「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」の3つで、人間の知的な営みの礎となるものだといいます。どの欲求も、言われてみれば当たり前のことですが、これが人間の脳にとって「本能」ともいうべき根源的な欲求であることは、知ると知らないでは大きな差が生まれるかもしれません。

 それにしても「馬の脳」といわれる大脳辺縁系が、人類が最も誇るべき高度な機能を持つ大脳新皮質を生かすカギを握っているとは、ちょっと複雑な気分になりますね。そんな大事なことが分かっていたなら、「馬の脳」などというあだ名(比喩)はつけられなかったのではないでしょうか。

 話は脱線しましたが、次に3つの本能的欲求である「生きたい」「知りたい」「仲間になりたい」の深い意味について、一緒に考えてみましょう。

生きたい欲求

 「生きたい欲求」は狭い意味では生存の本能で、食べる、排泄する、眠る(場所を確保する)、子孫を残す、などの行動になりますが、ここでいう「生きたい」は複雑化した人間社会の中で生きるということです。

 人間に限らず、高等動物では生きるために家族を形成します。さらに、より確実に生き延びるために群れ(集落)をつくるわけですが、人間の場合はそれが複雑化して社会という巨大組織に発展しました。社会は、人々が生きるために不可欠なものであるにもかかわらず、様々な軋轢(あつれき)や格差を生み、人によっては自分を不幸にしている最大の原因のように映ることもあります。そのため人は、時には根源的な生きたい欲求が阻害され、極端な場合は生きることを放棄してしまうことがあります。

 人が生きるということは、肉体が生き続けることだけでなく、社会の中で生きるために快適な自分の「心の場所を確保」することです。そのために必要な欲求が、次の「知りたい」「仲間になりたい」になるのではないでしょうか。

知りたい欲求

 子供時代はだれでも好奇心の塊で、目に映るものすべてに興味を持ち、それに触れようとします。言葉がしゃべれるようになると、幼児は両親に質問攻めをします。このように、知りたい欲求は大脳が持つ本能と言えるものです。

 こうした知りたい欲求を満たし、なおかつ社会で生きる力を身につけるために、教育というシステムがあります。しかし、教育が子どもにとって「押しつけ」になり、子どもの知りたい欲求をさらに広げるどころか、ブレーキをかけることもあります。両親や教育者は、子どもの個性をしっかり見極めながら、心を育てることが重要です。

 知りたい欲求とは、言い換えれば何かに強い興味を持つということ。そして、何かを達成するということは、その興味を強い気持ちで持続させることです。年を重ねても、新しいことに興味を持ち、脳の本能をさび付かせないことが、脳の機能を高めることにつながります。

仲間になりたい欲求

 
 仲間になりたいという欲求は、人類に特有のものかもしれません。人間は孤独に弱い動物です。どんなに健康でお金がたくさんあっても、一人ぼっちでは生きられません。いろいろな形での仲間が欲しいのです。

 仲間は、自分と共通する何かを共有しているほうが強い絆ができますが、生い立ちや性格、人生観、知識、趣味、特技、生活環境など、様々な面で異なっています。それでも、私たちはたくさんの人とつながって生きているわけですが、それができるのはお互いに相手を認め、自我を抑制することを知っているからです。人の役に立ち、喜ばれることが自分の喜びであり、何らかの形で社会の役に立つことが生きがいにつながる。これこそは、「仲間になりたい」という本能的な欲求のもたらすものと考えられます。

 蛇足になりますが、「仲間が欲しい。でも、なかなかできない」という方は、いろいろな人に関心を持つことから始めてはいかがでしょう。他人に関心を持つということは、その人が強い興味を持っていることにも関心を持つということです。自分自身にしか関心がないのでは、脳は十分に働かなくなってしまいます。
 
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