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  英単語学習の王道と邪道|記憶術活用法   

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英単語学習の王道と邪道|記憶術活用法

 
 英単語の記憶にはだれでも頭を悩まされます。正論を言えば、英単語は本来、英語の文脈の中で、あるいは会話のやりとりの中で覚えるものです。私たちが日本語を覚えたのと同じように、読み、聞き、話す中で英語のボキャブラリーを増やすのが王道といえるでしょう。

 でも、英語ばかりに時間をかけられない人に、理想論を言っても始まりません。ときには英文から離れて単語だけを暗記することも必要でしょう。そこで、効果的な英単語学習法として、外来語の利用法、単語帳の上手な作り方、語源による記憶法、語呂合わせ記憶術などについてご紹介かたがた説明していきたいと思います。

外来語は英単語の宝庫

 私たちの身の回りは外来語で満ちあふれており、しかもその大部分は英語由来です。私たちは次のような英単語を知らず知らずのうちに記憶しています。英語系の外来語を使わずに生活するのは不可能といえるでしょう。

  テーブル(table)、ジーンズ(jeans)、ミュージック(music)
  カレンダー(calendar)、ボタン(button)、ラグビー(rugby)
  インストラクター(instructor)、コントロール(control)
  デモクラシー(democracy)、ホームシック(homesick)
  コミュニケーション(comunication)、ターミナル(terminal)

 外来語で気をつけなければならないのは、発音とアクセントです。たとえばbutton(バトゥン)を「ボタン」と発音しては、まったく通じません。

 
 もう一つ注意しなければならないのは、外来語の意味が、英語としては一般的ではないものを指したり、日本語として使われるうちに意味が変化してしまったりする場合が多いことです。

 たとえば、コンプレックスは劣等感の意味で使われますが、英語では「複雑な/複合」というような意味になります。劣等感をいうなら“inferiority complex”としなければなりません。

 また、terminalは、日本語としては主に「終着駅」に近い意味で使われますが、英語ではパソコンの「端末」の意味もあり、形容詞として「末期の、毎期の」という意味で使うことが多いようです。

 現代では、外来語はまず専門用語として入り、その一部が一般化するケースが多いので、英語本来の一義的な意味を知っておくことは大切です。

 以上の2点に注意すれば、外来語を整理するだけでも、英語のボキャブラリーをかなり増やせるでしょう。すでに獲得した知識を利用するのは、何事につけて効率がよいものです。

単語帳の効果的な作り方

 
 受験生はよく英単語帳を作ります。しかし、日本の学生(生徒)と外国人学生の場合では作り方がかなり違うと聞きます。日本人の多くは、英単語を単独でバラバラに並べます。しかし、これは最も効率が悪いのです。単語帳を作る際は、関連する言葉を添えて、用法も含めたいくつかのことを一度に覚えることが肝要です。

 たとえば、不規則動詞なら過去、過去分詞を併記するのは常識ですが、そればかりでなく、代表的な意味は目的語や補語などを付け加えたり、ついでに名詞形や形容詞形なども添えたりすると、学習効果はぐ~んと高まります。次はその一例です。

produce ①生産する produce furniture(家具を生産する)
  ②産出する produce a great deal of wheat(たくさんの小麦を産出 する)
producer 生産者、(劇・映画などの)プロデューサー
product 産物
production 生産、生産高 mass production(大量生産)
productive 生産力のある、生産的な

英単語 記憶術・超ミニ講座 ― 似た単語はセットで覚える

 似た発音の別単語をセットで覚える際に便利なのが記憶術です。例を示します。
bill ①勘定書、請求書 ②張り紙(ビラ) ③紙幣(米語)
bill くちばし ※ワシなどのカギ型のくちばしはbeakという
Bill Williamの愛称
記憶術による覚え方 
ビルくちばし勘定書紙幣をくわえた。
beakの語呂合わせ記憶法は ⇒ ワシの(鋭い)くちばしにビークビク

英語教材の選び方

 英語学習ではいうまでもなく、耳からの学習もきわめて重要です。正しい発音やイントネーションを覚えるためには、やはり市販の英語教材(CD・DVD)の有効活用も大事です。

 英単語は、単独で覚えるよりも、文章ないし短いフレーズの中で覚えるのが理想です。その意味では、前後の脈絡のない単語を羅列した教材よりも、文章化されたもので、それぞれの章がストーリーやテーマ性を持ったものが望ましいでしょう。

 日本語(国語)の勉強では、単語のみをバラバラに取り出して覚えるようなやり方はだれもしません。英単語だけを単独でランダムに覚えるのは、きわめて効率が悪い方法と認識しておいたほうがよいでしょう。仮にその方法で英単語が覚えられたとしても、他と関連性のない単語は忘却率が高く、二重のハンデになるはずです。

英会話教材で注意すること

 内容的には、受験目的なら少し背伸びしても大丈夫ですが、英会話目的なら背伸びは禁物です。そもそも英会話では単語よりも基本文型が大切。単語は言い換え練習などによって増やしていくのが王道で、同一場面に関係のある単語をまとめて覚えてしまう勉強法がよいでしょう。
 たとえば、交通機関(旅行)に関係のある単語、料理に関係のある単語…といった要領です。

 英会話では聞くことと同等、あるいはそれ以上に、話す(表現する)ことが大切です。「聞き取れなければ話せない」とは、某英会話教材販売会社の宣伝コピーですが、逆に「話せない内容はよく聞き取れない」というのも真理です。
 英会話CDを聞き流しているだけで、英語が話せるようになるかのようなコピーには注意しましょう。

繰り返し学習とインターバル

 語学学習は英単語に限らず、繰り返し学習がポイントとなります。どれくらいの長さで何回くらい反復するのがよいかは、レベルによって異なるでしょう。自分のリズムに合った反復方法を見つけることが大切です。

 学校の勉強ではやみくもに反復学習をする(過剰学習)よりも、適度な反復学習のあとでインターバルを置いて再学習するほうが、記憶にとっても効果的であることが近年わかってきました。その辺のデータは英語教材制作会社や販売会社にはないのか、教材もそのようには作られていません。自分でコピーを繰り返しながら、音声教材を再編集してみるのも一法です。

語源による英単語記憶法

 日本語の場合は漢字そのものに意味があるので、新しい熟語の意味を覚えるのはそう難しいことではありません。しかし、英語の場合はどうでしょうか。

 もちろん英語にも、単語を分解していくとそれぞれに語源があります。大きく分ければ英語はインド・ヨーロッパ語族に属し、ゲルマン語系やラテン語系に由来する単語が多いのが特徴です。

 だから、「語源を知ることで単語の意味は覚えやすくなり、また一つの語根からいくつもの単語が覚えられる」というのも一面の真理があります。

 しかし、実際にはどうでしょうか。英語は比較的新しい言語のため、その意味は本来の語源からかなりかけ離れたものも少なくなく、高校生レベルの英語や英会話ではあまり実効性がないのではないでしょうか。将来、英文学をやりたいとか、言語学に興味があるのならともかく…。

 ただし、頻繁に現れる接頭語や接尾語の意味は知っておいたほうが有利なようです。すでにいくつかご存じだと思いますが、次に主な接頭語の例を並べてみました。

否定する、反対する
in-  inability(無能)
im-  impossible(不可能な)
il-  illegal(非合法の)
ir-   irregular(不規則な)
un- unkind(不親切な)
dis- dishonest(不正直な)
離れる
ab-  absent(欠席している)
se-  separate(分離する)
超える
super-  supermarket(スーパー)
sur-   survive(生き残る)
下を行く
sub-  submarine(潜水艦、海底の)
いっしょにする
com-  companion(コンパニオン)
con-  concrete(コンクリート、具体的な)
前に進む
pro-  progress(進歩)
pre-  precede(~に先立つ)

語呂合わせ記憶術の活用法

 英単語は初めて出てきたものでも一度で覚えられることもあれば、何度覚えようとしても覚えられない単語もあります。
 覚えづらい英単語は、邪道といわれようが、奥の手を使うのが効果的です。語呂合わせを利用した記憶法(英単語記憶術)です。
 一般に、英単語記憶法といわれるものは、次のようにあらかじめ誰かが考えた語呂合わせによる短文を覚える方法を採ります。

 isolate 孤立させる
      ★愛想、レイト(遅)過ぎて孤立する(isolated oneself)
 acquire 習得する、身につける、手に入れる
      ★悪はいや、と善を身につける

 書店を丹念に探すと、このような語呂合わせの例を短文にまとめた本が見つかるはずです。
 とても便利なものですが、欠点もあります。それは、その語呂合わせが、他人が考えたもののため、ぴんとこないものも少なくないということです。たとえば、上の2例は比較的自然な語呂合わせだと思いますが、人によっては「かえって覚えづらい」ということもあるでしょう。

 そもそも語呂合わせ(ダジャレ)の言語感覚は千差万別です。自分が考えたものなら、多少の無理があろうともそれが「自然」で、覚えやすいものです。
 ですから、acquireを「悪はいや」とするのが気に入らないのなら、別の語呂合わせを考えたほうがよいでしょう。候補としては次のようなものが考えられます。

  Acquire ⇒ 「あ、鍬(くわ) いや」「あ、桑いや」
         「あ、クワ(クワガタムシ) year
          「アクア(水)イヤー(年)」「悪愛や」

 自分の感覚に合った語呂合わせが見つかったとしても、次にそれを英単語の意味とうまくこじつけて結び付けなければなりません。アイデア勝負です。

 そのアイデアが浮かばない人は、誰かの考えた語呂合わせ記憶法を受け入れるしかないわけです。その場合は、うまくいく場合と行かない場合があることを覚悟しなければなりません。それでも、何度出てきても覚えられない単語は、何とかこうした「邪道」で切り抜けられるでしょう。

本格的な記憶術はトレーニングが必要

 英単語記憶[術]という場合は、単語ごとに自分で覚え方を発案しなければなりません。初めの段階では、大半の方がうまくできないでしょう。記憶術は体系を持った技術ですから、セオリーがあり、ある程度のトレーニングが必要になります。
 
 英単語への記憶術の応用は、大きく分けると2つの技術からなります。一つは、英語の発音に近い日本語を作る語呂合わせの技術、そしてもう一つはそれを単語の意味に結びつけるストーリー作成の技術です。言語感覚のすぐれた人や、創造性の豊かな人はすぐにコツを身につけることができます。

 「普通の人」でも、たくさんの例題に接し、自分でもいくつか作ってみると、だんだんと2つの技術が身についてくるでしょう。英単語記憶術は、記憶術の一部のテクニックを使ったものですが、地理の外国地名世界史の人名化学物質名薬の名前などに応用できる便利な技術です。

 本格的な記憶術は視覚的にインパクトの強いイメージを描くトレーニングを必要としますが、一たび身につけると、高校・大学入試や資格試験などのあらゆる暗記科目に利用することができます。

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