英語耳と英語舌10のチェック/英語脳をつくる1
英語が聞き取れない、通じない…そんな悩みを解消する英会話の勉強法
●中学、高校で6年間も英語を勉強しているのに ●ネイティブの話す英語がまったく聞き取れない ●海外旅行で英語を使ってみたが、通じなかった…
英語と日本語は、文法的にも音声学的にもまったく異なる言語体系を持っていますから、お互いに身につけるのに困難が伴うのは当然です。その上、日本に住んでいるほとんどの方は、英語を話さなければならない環境にないわけですから、切実性がなく、英会話を「教養」として考えがちです。
私たちは英語と日本語との文法の違いは、いやというほどたくさん勉強させられました。その一方で、英語の音声についてはただテープ(CD)を聞かされるだけで、口や舌の形、息の出し方などの違いはまったくといっていいくらい教えてくれません。
英語は、発音が悪くても通じればいいのだ…
そういう考えもあり、一理あります。でも逆に、けっこう難しい言葉を知っている外国人の日本語の発音がめちゃくちゃだったら、どう感じますか? 中身が立派でも、意味が通じなければ誤解が生じます。発音がひど過ぎれば、中身まで幼稚に思われるかも知れません。
英会話の勉強は、耳だけでなく舌も使わなければ、ヒアリング能力さえも向上せず、挫折を繰り返すだけになります。「自分が発音できない英語は聞き取れない」ことを知り、まずは英語耳(脳)と英語舌(脳)をつくることから始めるのが、いちばんの近道です。
RとL、THの発音だけではない日本人の弱点
これをアメリカ人が発音すると、私たちには「パーリィ」または「パーディ」と聞こえます。中学の英語の先生はこの現象を、「速く発音すると私たちには、“t”が“l”や“d”に聞こえるのだ」と説明したものです。でも実際はゆっくり発音しても、tはlまたはdの音に変化しているのです。
実は英語の“t”には強弱によって2種類の発音があるのですが、日本人の多くはどちらの発音もうまくできていません。苦手なのは「RとLや、THの発音」だけではないのです。
この他にも母音の音の変化、子音の音の変化、音が消える現象など、日本人にとって発音しづらく、聞き取りにくい要素はたくさんあります。英語脳、英語耳をつくるためには、まず日本語との音声学的な違いをしっかり五感を通して感じることが出発点になるでしょう。
日本語脳から英語脳へ! ヒアリングは舌と耳で
ここでは、もっとも初歩的な単語レベルの発音の問題から、リエゾン、リダクション、リズムやイントネーションの問題まで、英語脳をつくる上でのポイントを段階的に紹介していきます。なお、個々のくわしい内容は次のページ「英語脳をつくる2/ネイティブの発音とは」にまとめています。
あなたの課題を発見する10のチェック・ポイント
子音に母音を勝手につけてしまう癖のある日本人。しかし問題はそれだけではありません。英語の子音は舌の使い方はもちろんのこと、息の吐き出し方まで日本語とは異なるのです。
②母音、二重母音が多い英語
母音の種類の多さもやっかいです。特に3種類の「ア」、2種類の「イ」「ウ」「オ」を区別して、正しく発音するのは難しく、そのことが逆にヒアリングが難しい原因にもなっています。
③音節とアクセントを強く意識する
“strike”を1音節として発音できる人は少ないでしょう。音節を間違えるとネイティブには通じません。また、アクセントも平板になりがちで、通じない原因の一つとなっています。
④英語特有のフラップ“t”の悩ましさ
強音のtは息を強く吐き出して発声しますが、弱音のtはdまたはlに音が変化します。この現象をフラップといいますが、私たちがなかなか身につかない発音の一つです。
⑤母音の弱音は、発音が変化または脱落する
アクセントのない母音は、ⅰがあいまい音の「ア」に変わるなど、発音が変化したり、脱落したりする傾向があります。Beautifulが「びゅーたふぉ」と聞こえるのはそのためです。
⑥複数の単語が一つにくっつくリエゾン
英語では、複数の単語がつながって発音されるリエゾン現象があります。“Take it easy. ”が「テイキティーズィー」となるように、頻繁に起こりますから、練習が必要です。
⑦リダクションはヒアリング上達の鍵
英語で子音や母音が短縮されたり、脱落したりすることをリダクションといいます。冠詞、人称代名詞、助動詞、前置詞、接続詞などに限られますが、やはり練習が必要です。
⑧2単語が1個になる日常会話語
日常会話ではwanaとかgottaのように学校で習わない単語がよく出てきます。2単語がつながって発音が変化し、1個の単語になったもので、これもリダクションの一種です。
⑨英語のイントネーション 4つの音程に慣れる
英語のイントネーションは4つの音程からなり、文全体の“メロディ”にもパターンがあります。日本人はイントネーションの音程が狭くなりがちですので、注意が必要です。
⑩英語はリズム! ビート、ラップ感覚で
英語のリズムはビートの効いた音楽がぴったりです。英語のリズムは、強勢のある音節間の時間が等間隔になるという特徴があり、かなりの練習が必要になります。
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