ブレーンストーミングのやり方|原則と準備
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集団的な発想法を成功させる、4つの重要ポイント
ブレーンストーミングは集団的な発想法のことで、経験したことのある方も多いと思いますが、復習の意味でまとめてみます。そもそもこの手法は、アレックス・F・オズボーンが考案した会議方式の一つで、名称自体は1953年の彼の著書で使用したのが始まりだそうです。いわば年季の入った発想法で、いまだに廃れていないことがブレーンストーミングのすぐれている証しともいえるでしょう。
ブレーンストーミングを行う上で重要なことは次の4点です。
①量より質質を気にせず、とにかくたくさんのアイデアを出すことを目指します。 ②奔放な発想、突飛なアイデアばかげているとか、実現性がないとか、心に制約を設けず、どんな突飛なことでも思いついたら口に出すことが奨励されます。 ③他人のアイデアに便乗は大いに結構誰が先に言ったことだろうが気にせず、そのアイデアに便乗して修正、改造、発展、結合を自由にしてよいということです。 ④批判の禁止人の出したアイデアを一切批判してはいけません。上司が部下のアイデアに否定的なコメントを発するのは特に禁物ですが、現場の立場から「無理」というような発言もいけません。どうしても批判をしたい人は、批判の代わりに修正案または対案を出すというのがルールです。 |
なかなか守れない「重要な原則」とは…?
私はクリエイティブ関係の仕事が長かったので、ブレストは何度も経験していますが、メンバーによってはなかなかうまくいかないことがありました。
最も難しいのが4番目、「批判の禁止」がなかなか守れないことです。参加者に批判精神が旺盛でおしゃべりな人がいると、どうしても感想を述べようとします。するとたちまち、アイデアを出す場が議論の場と化してしまいます。そんな人には、批判せずに対案を出すようにしてもらうのですが、うまくいくかどうかは司会者の力量にかかっています。
ブレスト成功に必要な5つの準備
ブレーンストーミングを成功させるには、次のように主催者もしくは司会者の入念な準備が必要です。
①まずは、当たり前のことですが取り組むテーマを設定しなければなりません。 ②次に、参加者に事前に読んでもらうための趣旨説明書(連絡書、メモ)を作成して配ります。 ③趣旨説明書を配布する前に、当然ながらメンバーの決定もしておかなければなりません。説明は、参加者の顔ぶれによって書き方が若干変わってきます。 ④司会者になる人は、発言が途切れたときのための質問や、話題を用意しておかなければなりません。 ⑤あとは場所と日時です。趣旨説明書は少なくとも3日前までに配布します。 |
①テーマについて
ブレストのテーマはあまり範囲の広いものや、抽象的なものにならないようにします。範囲が広すぎるとアイデアはたくさん出るのですが、収拾がつかなくなり、あとでまとめるにも苦労するでしょう。
テーマが狭すぎてアイデアが枯渇したら、その場で少し条件を緩和したり、関連するテーマを加えればよいのです。
②ブレストの趣旨についての説明
予定する参加者がみなブレストのことを熟知しているわけではありません。経験者でもブレストの趣旨を十分に理解しているかどうか…。
「こんな会議をやっても、どうせ…」というようなことを考える人もいるかもしれません。なぜ、この問題に関してブレストが効果的と考えるのか、背景をあらかじめしっかり伝えておくことが大切なのです。
次に、ブレストのテーマは仰々しく格好つけず、具体的にかつ口語体で書くほうが、参加者がイメージしやすいでしょう。
なお、ブレストに十分慣れていない人のために、アイデアの例を二、三例示しておくことも大切なことです。誰でも思いつく例や、突飛でばかばかしいアイデアを出しておくと、あらかじめ考えやすくなります。
③メンバーの選定
ブレストは人数が多ければ多いほどアイデアがたくさん出る、というわけではないようです。私の経験では、ブレストではありませんが、2部門の合同企画会議で人数が十数人になったとき、半分以上の人が発言をしなくなりました。
一般的には5人以上、10人止まりというのがセオリーとなっているようです。
メンバーは1部門だけでやる場合、固定されているわけですが、できればテーマに関する専門性の高い人と、関連する業務はしているものの、さほど専門性の高くない人を織り交ぜるのがよいとされます。
専門家のほうがより的確なアイデアが出る可能性は高いのですが、型にはまった新味に欠けるものになりがちです。部外者のほうが専門知識に欠ける分、枠にとらわれない斬新な(突飛な?)アイデアが飛び出す可能性が高いといえます。
あらかじめ決めておく役割としては、司会者と書記の2名があります。熟練者なら両者を1人で兼ねることもできますが、かなりの負担になります。
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