想像力が頭の回転を良くする
創造力を鍛える暮らし
勉強や仕事ができる、のみこみの早い人は…
人の話を聞いたり、文章を読んだりしたときに、すぐに内容が理解できる人は、イメージを描く力(=想像力)が豊かな人です。想像力の豊かな人は、話の途中で先を予測するので、理解が早まるのです。読書などでは、理解できたことはかんたんに覚えられますが、よく理解していないことはなかなか覚えられませんね。
自分で頭があまりよくないと思っている方は、実はだれもが生まれつき持っているこの想像力を、日常会話や仕事、勉強などに使わないためです。このことは、自分の得意なことと苦手なことを比べてみるとわかります。自分の得意なことには想像力が自然に働きますが、苦手なことには想像力があまり働かない。そう思いませんか?
だから、「頭の回転をよくしたい」とか「勉強ができるようになりたい」「仕事がてきぱきとできるようになりたい」と思うなら、想像力をもっと使って鍛えればよいわけです。では、想像力はどうして鍛えられるのでしょうか?それを説明する前にもう一つ、想像力と創造力の関係についてお話しておきましょう。
想像力(空想力)は応用力や創造力につながる
あなたは「創造力のある人」についてどんなイメージを持っていますか? 絵やイラスト、詩などが得意な人…。それとも、「発明や発見をする人」でしょうか。でも、創造が必要なのは、芸術・芸能や科学・技術の分野だけではありません。そして、その創造のみなもととなるのは、好奇心と想像力です。未知のもの、経験したことのないものに関心を持ち、さまざまに想像(空想)をめぐらすからこそ、人は新しい知識や技術、技能を身につけることができるのです。自分の人生を切り開いていくことも、創造力がなければできません。
ですから、広い意味の創造力は「応用力」と言い換えてもよいでしょう。学校の勉強で、基礎的な問題はできるのに応用問題が苦手な人は、この創造力を十分に鍛えてないからです。また、学校の成績はよかったのに、社会に出てから仕事があまりできないという人も、創造力=応用力が不足しているためと考えられます。
想像力&創造力を鍛えるには
知識を詰め込むだけの勉強・読書や、経験に基づく決まりきった仕事だけをしていると、脳の柔軟性・可塑性が弱まってしまいます。想像力は言葉や概念を生き生きとした内容のものにしますし、一つのことから別の事柄に発展する力を持っています。想像力を鍛えるのはそう難しいことではありませんが、「これをやれば想像力が強化される」というような単純なものではありません。そんなものがあるとすれば、まやかしです。想像力は次のように、日常生活の中で、お金も時間もさほどかけずに鍛えることができます。
・美術館や画廊によく行く。または画集を眺める。 ・日記やエッセイを書く。 ・図鑑の写真・イラストを眺める。 ・ラジオドラマを聞く。 ・SFやミステリー小説を読む。 ・通勤、通学の各駅の特徴的な風景を順番に頭に思い浮かべてみる。 ・買物のリスト(言葉)の具体的なイメージ(形)を頭に描く。 ・現在または過去の通い慣れた道にある建造物や風景を順番に思い出す。 ・次のような連想をして、短時間に出来るだけ多くの単語を書き出す。 ①クサリ型(春→お花見→おにぎり→コンビニ→深夜営業…) ②放射型(春=お花見、春一番、チューリップ、卒業式、入学式…) ・ダジャレをできるだけ多く考えてみる。 ( イカ=いかが、いかにも、いかがわしい、いかつい、いいか…) ・例えば牛乳パックや掛け軸などの、本来の目的以外の利用法をいくつも考えてみる。 ・ランダムに選ばれた無関係な2つの物や生物に共通する事柄をいくつか考えてみる。 (例題:「カニと自転車」「ライオンと扇風機」に共通するものは?…正解は人それぞれです) |
これらのトレーニングは幅広く実践することと共に、得意技を持つことも重要です。
なお、上の傍線の部分(イメージを頭に描く、風景を順番に思い出す、連想、ダジャレ)は誰でもできることですが、これを利用して物事を覚える技術が「記憶術」というものです。詳しくは本サイト「記憶術とは何か?」をご覧ください。
※参考サイト:記憶術の効果、やり方 & 無料入門講座 http://kiotech.net/
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