アルツハイマー病や脳梗塞などによる認知症は遺伝するものではないので、一種の生活習慣病と考えることができます。そこでボケない暮らし方というものをまとめてみました。

 基本となるのは食事バランス、適度な運動、頭を使うこと、ストレス対策、コミュニケーションの5本柱です。具体的には次のような内容になります。

生活習慣病を防ぐ食事、脳によい食事

動脈硬化の原因となる高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病にならないようにする。
肥満にならないように腹八分目を心がけ、特に腹部の脂肪を減らすように努力する。
そのために高脂肪、高カロリーの食事を避け、間食に甘いものをたくさん食べるのを避ける。
血をさらさらにするDHA、EPAを多く含む青魚を少なくとも週1回以上とる(アルツハイマーの発症リスクを下げる効果ありという研究も)。
緑黄野菜や大豆製品、海藻類などをしっかりとり、不足しがちなビタミン、ミネラル、食物繊維などをバランスよくとる。
塩分のとりすぎは高血圧→動脈硬化→脳梗塞につながるので、塩分は控え目に。
お酒は記憶にマイナス効果。毎日、日本酒換算で3合以上飲む人はボケやすいという報告も。
たばこを吸わない(禁煙ができないのはニコチン依存症)。

生活習慣病と寝たきりを防ぐ運動

運動を継続的に行う。特にウォーキングなどの有酸素運動を毎日やると、血圧の安定、コレステロールの低下などが期待できる。
足腰を鍛え、強い骨を作る(ある程度強い運動)。歳をとっても寝たきりにならないようにする。

さまざまな頭の使い方を心がける

仕事や家事などであまり使っていない脳を使うように心がける。
そのための方法には、音読をする、やさしい計算問題をする、漢字の書き取りをする、さまざまなクイズやパズルを楽しむ、囲碁・将棋・オセロ・トランプなどをする、読書を習慣にする、世の中の出来事に興味を持つ、などがある。
ときどき文章を書く。手紙やエッセイ、日記、メールなど何でもよい。
指先を使う趣味を持つ。楽器演奏、絵画、手芸、工芸、工作、料理、囲碁・将棋など。これらは創造力を養う、自己表現欲求を満たす、人とのつながりができるなどの効果もあり、一石二鳥。

心と頭脳にダメージを与えるストレスへの対処法

小さなことにあまりこだわらない。くよくよしない。物事を前向きに考える。
ストレスはため込まず、こまめに解消する。気晴らしの方法をいくつか持つようにする。
頭に物理的な強い衝撃を受けないように気をつける。
明日への活力を養うため、意識して休養を十分にとる。
入浴と十分な睡眠で心と体のアカを落とす。
うつ病はボケのリスクを高めるので、うつ病にならないように心がける。具体的には大きな悩みや強いストレスを自分ひとりで抱え込まない。生真面目に考えず、物事を柔軟に考える(よい意味でのいい加減さも必要)。仕事や家事を頑張り過ぎない。睡眠を十分にとる、など。
腹式呼吸をする。腹式呼吸には、脳の緊張をとる、基礎代謝を高める、大きな声が楽に出せるなどの効果がある。

楽しい人間関係を築くコミュニケーション

食事は家族や仲間と楽しくとる。
家族や友人とカラオケを楽しむ。
たくさんの友人と楽しく話をする。人と笑顔で接する。友達の多い人はボケにくいといわれる。
中高年になってもおしゃれ心を失わない。おしゃれをしないと家に閉じこもることが多くなる。
定年後も社会とのつながりを持つ。簡単な仕事、ボランティア、趣味の仲間など。


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