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頭脳向上のための読書術

  あなたの読書の目的は?  トレーニングしなくてもできる読書術  読書術の具体的目標  読解力をどうつけるか

速読術を試す前に“読書術”を

 おそらく、頭をよくするための最も効果的な方法は読書でしょう。印刷機が発明されるはるか前の時代から、書物は「知識人とそうではない人を選別するための道具」であったはずです。

 読書の大切さは、だれもが子供の頃からいやというほど聞かされており、いまさらここでその効能を述べる必要はないかもしれません。しかし、効果的な読書の方法というものを学校時代に教わったという方はほとんどいないでしょう。

 そのため、「本を読んでも内容がなかなか頭に入らない」「本を読むのが遅くて困っている」「読んだ直後はわかったような気分になるが、あとでみな忘れてしまう」…というような読書に関する悩みを持っている方は少なくありません。

 そんな方にとって、「速読術で10倍、20倍速く本が読める!」「速読術で資格試験もラクラク!」というようなキャッチフレーズは魅力的に映るかもしれません。一方で、期待が大きくなればなるほど、「そんなうまい話があるわけない、マユツバではないか」などと疑いたくもなります。

 速読術については別のページ(速読術の理論と効果)に説明を譲るとして、ここではその前に多くの読書家が行っている効果的な読書術についてお話します。

 速読術は、ある程度の読書術を身につけた人でないと、思ったような効果が期待できないからです。また、速読術の有効性は読書目的によっても異なります。まずは読書というものをいろいろな角度から整理したうえで、速読術について考えてみましょう。

あなたの読書の目的は?

 読書には、必要に迫られて読む場合と、楽しむために読む場合があります。楽しむための読書でも、知的好奇心を満たすものから、芸能人の暴露本などのようにのぞき趣味を満たすものまでさまざまです。また、読書効果をもっと高めたいという欲求は、読書が苦手だという人ばかりでなく、読書家を自認している人でも強く持っています。たかが読書でも、意外に奥が深いのです。

 読書術は、どんな目的で読むのかによって異なります。読書は次のように3つの目的に分けられるでしょう。

1.学習・勉強のために


 教科書や解説書、実用書などで学習する場合で、理解と記憶がポイントとなります。試験を念頭に勉強するもので、通常は「読書」という扱いはされません。

2.知的好奇心のために


 エッセイ、小説、評論、教養書の類で、知的快感を味わうのが主目的の読書です。細かい情報を吸収(記憶)することよりも、一冊を通して人間や社会、自然などについての認識、思想を深めることに重点が置かれます。

3.知的生産のために


 仕事や研究などで読む必要のある場合で、そこから必要な情報や企画、アイデアなどを得ることが目的となる読書です。すでにその本に関連したある程度の知識があることが前提です。

 以上からおわかりのように、読書を通して何を求めるかは、理解、記憶、認識、感動、自己啓発、情報収集、アイデア発見などさまざまです。漠然と読書するのではなく、本を読む前に自分がその本を何のために読むのかをしっかりと認識しておくことが大切です。それだけでも、読書力は高まってくるでしょう。

トレーニングしなくてもできる読書術

 本の内容をしっかり理解しながら、より速く読むためには、国語力(文法力、ボキャブラリー、読解力など)が一定以上の水準になければならないことはいうまでもありません。国語力の問題を別にすれば、特にトレーニングをしなくても読書力を高められる方法は3つあります。

1.テーマ、著者の言いたいこと


 それはまず、本のテーマをあらかじめしっかりと心に刻んでおくことです。テーマとは、著者がその本で最も訴えたいことです。それを念頭に読むと、内容が頭に入りやすくなります。

2.著者や内容への共感、感情移入


 次に、著者、あるいはテーマに共感することです。単に情報として受け止めるのではなく、本を読んでいる間だけでも、「なるほど、そうだったのか」と感心し、ときには著者に感情移入します。そうすれば、本の世界に没入することができ、スピードアップできます。

3.集中しようという意志


 また、集中力は読書に限らずあらゆることに大きな効果を発揮します。前の二つも集中力を発揮するために役立っていますが、さらに「集中しようという意志」を持つことが大切です。

 集中力を一種の能力のように考えている人がいますが、それは少し違います。好きなことにはだれでも集中できます。また、どんなことにも常に集中できる人などこの世にいません。集中力はある面では潜在意識から来るものですが、雑念を払い、目の前の一点に意識を集めることでも生まれますから、意志でコントロールするものでもあります。

 筆者(管理人)の経験でいえば、集中力の有無で、読む速さや内容把握には2倍、3倍の差が生まれるでしょう。

読書術の具体的な方法

 心構えのようなものばかりを延々と述べてきましたが、そろそろ具体論に入りましょう。
 具体的な方法となると、読書術は人さまざまです。国語力、常識力、専門知識、知的好奇心、気質・性格、人生経験、思想・信条、読書環境などの違いによって、理想の読書術もその人独特のものにならざるを得ないのです。
 とはいえ、だれがやってもある程度は効果的な方法というものがありますので、次にまとめました。すでにたいていの方は実行しているとは思いますが、特に1から4までは、書店で購入する前にやっておきたいことです。

1.本のタイトルや副題


 著者の最も言いたいことは本のタイトルや副題に表現されています。ただしタイトルは、出版社が売れそうなものを工夫してつけるのが常識で、著者の意図とは若干ずれている場合もあります。「タイトルにだまされた」ということのないよう、十分注意しましょう。

2.まえがきとあとがき


 まえがきには、「著者の伝えたいこと」に至った動機や主旨、大まかな構成などが書かれていることが多く、本を買う上でも重要な判断材料になります。

 また、小説などを別にすれば、あとがきを先に読むということも、効率よく読書を進める上でプラスになります。たいていの場合、あとがきは著者の個人的な雑感や、本を作る上でお世話になった人たちへの謝辞などが述べられ、直接役に立つことはなさそうに見えます。しかし、情緒的な面で親近感を持つ効果は意外に大きいのです。

 どんなに知的で、理屈だけで生きているように見える人でも、実は本人の気がつかないところで、些細な感情に動かされているという面があります。まえがきやあとがきを読むことは、著者への感情移入を読書効果に利用することでもあるのです。中身に関係なく、有名人の書いた本が売れる理由もここにあります(いいか悪いかはまったく別の問題ですが…)。

3.目次


 目次は本を買う際にも見逃せない情報ですが、本を読む前にも大まかな章立ては頭に入れておきたいものです。その上で、各章ごとに細かい構成や流れを把握しておきます。

 目次効果は旅行に置きかえてみるとわかります。目的地だけ聞いて、後は人の後をいわれるがままについていくのでは、旅行を味わったことになりません。事前にコースをチェックし、自分が最も興味のあるポイントに関しては予備知識を持って臨んだほうが、より充実した旅行が楽しめるでしょう。

 全体を把握して行動するのと行き当たりばったり行動するのでは、大きな差が生まれるのは当然のこと。これは勉強法や仕事の段取りなど、あらゆることに通じます。

4.本のぱらぱらめくり


 だれでも本を買うときに、何となくぱらぱらとめくって本文を2、3秒眺めては別のページに移りますね。瞬時に小見出しの面白さや文章の読みやすさや、図版や写真の魅力などを判断する人間の“脳力”には改めて感心させられます。だれでも行っているこの行為を、本を読む前にもやると効果的です。章ごとにぱらぱらめくりをすると、全体の流れが頭に入り、改めて興味も新たになって、本に没入できます。

 ぱらぱらめくりに関連して、以前、ある人が新聞の社説を後から読むことを勧めていましたが、実は私(管理人)もそれ以前から同じことを実行していました。後から四分の一辺りの段落に自然に目が行き、そこが社説の要(結論)であることが多かったからです。面白ければ真ん中辺りから読み直し、さらに興味を持ったらもう少し遡る、というような読み方です。前半はたいていの場合、単なる経過説明や背景の解説に過ぎません。知っていることまで読む必要はないのです。

5.アンダーライン、マーキング


 理解するのにはさほど難しくない本でも、書いてある内容はなかなか覚えていないものです。特に人名、地名や化学物質名などの学術用語は内容と結びつかなくなります。それどころか、理解したはずのことさえ、時が経つと忘れてしまい、同じような内容のものを読んで再び感心するというようなことが生じます。

 高校時代の勉強のように、読書でもアンダーライン(縦書きなら傍線)を引くか、水性マーカーでカラフルにマーキングすると、キーワードが覚えやすくなる上に、あとで探すのも楽になります。

 本を汚すのがいやなら、やや効率は下がりますが、大き目の付箋紙にメモを添えて貼るのも一法です。しかし、書物は同じ内容・情報を他の手段(DVD、セミナーなど)で得るのに比べて格安の上に、時間的にもはるかに得です。本をあまり神聖視しないことも、読書術の一つです。

 マーキングは、特定のキーワードに意識を集中させ、さらに指を使うという動作が入ります。視覚的にも強調されて、それだけでも単純計算で3倍の学習効果が図れることになります。

6.メモの書き込み、メモ用紙のはさみこみ


 知的生産のための読書では、重要な本はできれば読書ノートを作りたいところです。しかし、読書ノートはやる気があってさえもなかなかできず、慣れない人は三日坊主どころか一回で終了してしまうのがオチです。読書ノートの欠点は、読み終わってから作成することにあります。
 そこで本に直接メモを書き込むのがおすすめです。本を汚したくないのなら、はがき大のメモ用紙を必要枚数用意し、そこに書き込んでページにはさみこみます。念のためページ・ナンバーも記入したほうがよいでしょう。

 ちなみに筆者は高校時代、教科書にメモを書き込んだのでノートは一切使いませんでした。しかし、教科書・参考書以外の本にはマーキングはしても、メモを書き入れることまではできず、必要ならメモ用紙をはさみこむことにしています。メモ用紙は、本から外して机に並べて、整理・検討することができるメリットもあります。一長一短というところでしょうか。

7.読む精度にメリハリをつける


 日本語は表意文字と表音文字の混じった、世界でも珍しい表記をしています。漢字には文字自体に意味があり、頭に入りやすい特徴があります。しかも、観念を表す言葉のほとんどが漢字熟語になっていますから、漢字を重点的に拾って読めば、読むスピードはアップします。

 ただし、文章中に占める漢字の比率が高くなると、理解速度は落ちるでしょう。その場合、観念的、抽象的な思考にどれだけ慣れているかによって、かなり個人差が生じることになります。

 それはともかく、漢字熟語に意識を集中させ、それ以外はすばやく、流すように読むように心がけると、理解して読むスピードはかなり速まります。さらに一歩進めて、あらかじめ重要キーワードを頭に入れておき、「重要キーワード」「一般熟語」「それ以外の言葉」の順に読む精度を下げてスピードアップを図れば、速読術を使わずに初歩的な速読レベルを上回ることができるでしょう。

 文章には段落があり、起承転結や三段論法、序破急、三部構成、三部構成を拡大した五部構成など、さまざまな構成法があります。たとえば、論文では初めに結論があり、その具体例、反論、反論への反論、再度の結論(総まとめ)、というような展開の五部構成になることが多いものです。

 おのずと段落ごとに重要度は違います。さらりと読み流せる段落と、エキスの詰まった段落があります。段落ごとに読むスピードが変わってくるのが、読書術を身につけた人の読み方です。

 文章構成を瞬時に察知し、読む精度にメリハリをつけて理解にスピードアップを図ると、効率はさらに一段と高まるでしょう。

読書術、速読術以前の問題 読解力をどうつけるか

 読解力は、大雑把にいえばある程度までは読んだ本の数に比例するでしょう。しかし、本の中身が問題であることはいうまでもありません。ひらがなや会話体が多くて気楽に読める文章は、脳に負担をかけない分、読解力のトレーニングにはなりません。

 できればちょっと背伸びをして、自分にはやや難しいと思える本を精読することをおすすめします。理解するのにちょっと努力が必要なくらいがよいのです。

 あまり読書の習慣のない方には、新書本の教養書がお手頃です。自分の興味を持ったジャンルから入り、芋づる式に他のジャンルへと関心を移していきます。

 管理人は学生時代、サルトルの「想像力の問題」という本に悪戦苦闘した覚えがあります。翻訳文特有の硬い言い回しに加えて、哲学的な内容を多く含んでいますから、西洋哲学の常識のない者にとっては暗号文を読むに等しいものがありました。それでも、触発された箇所にはアンダーラインを引きながら、何とか読み終えたものです。あとで考えれば、何もわかっていなかったのですが…。

 しかし、そのおかげで、その数ヵ月後に読んだ吉本隆明著「共同幻想論」が、何とやさしく感じられたことか! はっきりと読解力がついてきたことを実感した瞬間でした。

 なお、読解力は文章を書く上でもきわめて重要な能力です。


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