雑学クイズは好奇心を活性化、推理力も養う
何でも知っている雑学の大家は「物知り博士」などといわれ、いつの時代にもそれなりに尊敬されていました。その昔は、勝ち抜くと賞金100万円がもらえる視聴者参加のクイズ番組があったほどです。物価が安く、貨幣価値が今の10倍くらい高かった時代のことですから、素人には破格の賞金です。
でも、芸能人を中心とした今日の雑学クイズブームは、その頃とは大分違うようです。
第一の違いは面白さです。かつては「こんなことまで知っているのか」という博学ぶりが興味の対象でしたが、現代では問題自体が興味深くなければならず、また正解の意外性も重要な要素となっています。
第二の違いは、テレビでは珍解答や一部有名人のおバカさんぶりが視聴率を稼ぐポイントとなっていることです。お笑い系ではない人まで「おバカさん」を売り物にするのは、昔は考えられないことでした。
その他、スピード重視も現代の特徴です。思考の瞬発力と反射神経が重要で、考える時間を与えないテンポの速さがテレビではとても大切なことのようです。
雑学は、日本では別名「トリビア」などといわれ(厳密には若干、意味が異なりますが…)、役に立たない雑多な知識のことをいいます。「学」と称しながら、互いに関連性のある系統だった知識がなく、単に興味本位のバラバラな断片に過ぎない雑学は、専門的知識を持った人たちからは低く見られる傾向があります。
しかし逆に、深い専門知識を持ちながら、専門外の常識を知らない人たちのことを「専門バカ」などと揶揄(やゆ)する言葉もあります。
今日、仕事でも実生活でも、創意工夫がとても重要になっています。互いに関連性のないバラバラで浅い知識が、何かの弾みで深い経験や専門知識と結びついて、素晴らしいアイデアを生まないとも限りません。何よりも、雑学は楽しい。このことが脳にとって最も大切なのではないでしょうか。
雑学クイズの形式パターン
雑学クイズは、単に知っているか否かが問われる問題よりも、知っているようで知らない問題とか、知らないけど推理すればわかりそうな問題が喜ばれます。喜ぶのはもちろん脳ですから、そういう問題が脳を活性化するのかもしれません。クイズと称しながら、パズル(推理)的な要素があるところがみそです。
出題形式には、非選択問題と選択式問題があり、選択式は三択か四択が普通です。
三択は、理由や原因、仕組み、結果などを問うような問題が適していて、答えが文章になることが多いのが特徴です。文章で迷わせ、楽しませるのが出題者の腕の見せ所です。
四択は、答えが単語になる場合が多く、本命、対抗、おとり、大穴などの「答え」が用意されています。
非選択式はあまり面白みがありませんが、推理力や運の要素があまり入らない純粋さはあります。ノーヒントの場合はさらにゲーム性がないので、知らなければそれでアウト。あまり脳を鍛えることにはならないかもしれません。
「鉄腕アトムに関する雑学パズル」による3つの出題パターン
鉄腕アトムほど、幅広い世代に受けた漫画・アニメは他に例がありません。そこで、アトムにちなんだ雑学パズルを3つの出題パターンで披露します。①非選択式問題
アトムが行方不明になったときに、お茶の水博士はアトムの代理となるロボットを作りました。原作ではアトムの弟、1作目のアニメではアトムの兄として登場する双子の兄弟の名前は? ヒント:妹のウランと同じように、元素の名前です。 |
②三択問題
鉄腕アトムはアニメキャラクターとしては初めて、実際の住民登録をして市民権を得ました。その役所のある場所は次のどれですか? 1.手塚治虫の出身地である大阪府池田市 2.手塚プロの所在地である埼玉県新座市 3.お茶ノ水博士にちなんで東京都千代田区 |
③四択問題
原作では、鉄腕アトムの誕生日は、漫画誌「少年」への連載が始まった発売日の4月7日とされましたが、SFなので年代は当然ながら未来に設定されています。アトムの誕生日は西暦何年ですか? 1.西暦2003年 2.西暦2016年 3.西暦2025年 4.西暦2047年 |
★正解は、①コバルト、②2、③1 ※③の正解は意外でしたか? 四択問題の正解のセオリー(1番が正解はめったにない)と、「早すぎる」というイメージを裏切ってみました。
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