脳を鍛える脳力トレーニング
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文章で鍛える5つの能力
  
日記やブログで大脳はフル回転

 文章を書くことは、読書に比べて楽な仕事ではありません。文章を書き慣れない人は、まず何を書いたらよいかで苦労します。その上、なかなか適切な言葉が見つからなかったり、まとまりがつかなくなったりして、脳が疲れます。

 でも、だからこそ文章を書くことは最高の脳トレーニングになるのです。ふだん、あまり文章を書くことのない方は、日記やメールなど気軽な文章から脳トレを始めてみませんか!

脳に負荷を与えなければ脳トレではない!

 ボケを防ぐ軽い脳のトレーニングとして、1桁の計算や複雑な指の運動、文章の朗読、ジグソーパズル、塗り絵などが奨励されています。でも、その程度の軽い脳のエクササイズで頭の働きがよくなると本気で信じている人は、極めて少ないでしょう。

 「ボケないために…」では、あまりに消極的ですね。第一、脳が喜ばないでしょう?
 というわけで、ここでは文章を書くことの素晴しさをお伝えしたいと思います。

 脳は体を使うスポーツと同じです。家で毎日ゴロゴロしていれば、骨や筋肉は衰え、簡単なスポーツさえまったくできなくなってしまいます。同様に、知力も脳に負荷を与えなければ衰える一方です。

 体力に、体の各部分の瞬発力や持久力、柔軟性、敏しょう性、調整力などがあるように、知力にもさまざまな能力があり、使う脳の場所も異なります。使わない能力は育たず、衰えていく。これは肉体も脳も同じことです。

 脳全体に負荷を与える脳トレはいろいろありますが、その中でも最もバランスが取れた、強力な脳鍛錬法が「文章を書くこと」です。

文章は、脳のすべての場所を総動員して書く!

 
 文章は、私たちが使う高度な脳の働きをすべて総動員しなければ書けません。たとえば日記を書くことを例に、脳の使い方を考えてみましょう。

 日記帳を前にして最初にすることは、一日を思い起こして何を書こうかと考えることです。このとき、その日の記憶を大脳皮質(長期記憶)から引き出し、右脳にイメージします。

 右脳、左脳、前頭葉などを交互に使いながら、書きたいことが絞り込めたら、次に第1行目の言葉を探し、書き始めます。左脳の言語中枢がフル回転を始めます。細かいことをいえば、手書きかタイピングかにかかわらず、指先を使う脳の運動野も使っているわけです。

 文を書くためには、自分が思いついた言葉を一時記憶する必要があります。さらに、文法的に正しい文を書こうという意識が働き、文章表現にも気を使いますから、創造脳、実行脳ともいわれる前頭葉はフル回転をするでしょう。

 日記を書いている途中でも、イメージは右脳を頻繁に駆け巡るはずですし、言葉や体験を保存している記憶の引き出しは絶えまなく使うことになります。

 さらに、自分の書いた文章を読み返し(視覚中枢―言語中枢)、推敲しながら必要に応じて文章を直し、集中力を保ったまま収束に向かいます。

 文章を書くことに喜びを感じるようになると、人間の生きる原動力ともなる意欲脳が活性化し、全脳をダイナミックに躍動させるでしょう。

文章を書くために使う脳力はこんなにたくさんある!

 文章を書くには、さまざまな能力(脳力)が必要となります。

●日本語能力は文章を書く基本

 まずは、日本語能力です。日本語のボキャブラリー、漢字力、言葉の用法、文法的能力、読解力などが一定以上の水準にないと、幼稚な文章になるばかりか、時には間違いだらけの文章になりかねません。 そのためには、良質の本をふだんからよく読んでおくことが大切です。

●文章を書くための技術

 日本語能力が高く、話すことは得意でも、文章が苦手だという方は少なくありません。あれもこれも書こうとするために、文章がまとまらないというケースが多いようです。そういう方は書き始める前にポイントを絞って整理することが大切です。

 整理能力の他、文章全体の構成力や論理的思考力、簡潔にまとめる表現力などが、文章力に求められます。 国語力はあるのに文章が苦手な方は、文章読本のたぐいに一度目を通されることをおすすめします。 

●言語能力以外に必要な知性と感性とは

 文章に必要なのは言語的な能力だけではありません。知性や感性に関するさまざまな能力が絡み合っています。

 まずは、幅広い知識や深い専門知識です。知識は豊富なほうが文章を書く上で有利でしょう。書くための材料や正確な知識が足りなければ、書籍や資料を調べたり、取材したりして補う必要があります。調査能力や取材力も本格的な文章を書く上では重要なスキルの一つです。

 次に、知識よりも強力なのは、豊富な人生経験やふつうの人ができない珍しい体験です。書くべき材料を豊富に持っていることは、小手先の技術を越えて強い武器となるのです。

 同じ知識や経験があっても、それをどう受け止めているか、その人のものの考え方や感受性、観察力で書く内容やボリュームが変わってきます。文章は、書く人の精神面のすべてが表現に影響してくるでしょう。その意味で、読書で脳を鍛えておくことは大切です。

●好奇心は若々しさを保つコツ

 好奇心が旺盛であることも、文章を書き続けていく上で重要なことです。好奇心はいつまでも精神の若々しさを保つコツでもあります。好奇心は、文章を書こうと思うことによって、取り戻すことができます。このことは、他の能力についても同じことがいえます。文章を書き続けることによって得られる能力は多いのです。

●他者への共感力を大切に

 最後に文章を書く上で最も大切なことがあります。それは他者への共感力です。日記を除けば、すべての文章は人に読んでもらうために書くものです。共感力があってこそ、書かれた文章は表面的な巧拙を超えて読み手に伝わるのだと思います。

 共感力は、先の好奇心と並んで文章以外の面でも大切な脳力ですが、これは脳トレで鍛えるべき性質のものではありません。まさにその人の人間性そのものともいえるもので、自分を磨き続けることが文章の達人への道なのかもしれません。

書くことは面白い! 日記から投稿、ブログへ

 
 文章を書くのは難しい、と思っている方は少なくないでしょう。でも、最初から文章のうまい人など一人もいません。書かなければ文章はうまくならない。それは楽器の演奏やスポーツも同じことです。そして、書き上げてみると、不思議な充実感がみなぎってくるのを感じるでしょう。

 ふだん文章をまったく書かない人は、まずは簡単な日記から始めてみましょう。毎日でなくても、ゆとりのある時間に週2~3回くらい楽しんで書くことをおすすめします。

 日記は人に見せるものではありませんから、そのうち日記だけでは物足りなくなるかもしれません。次のステップは、メールや手紙を書くことです。冒頭と末尾に形式的なあいさつがある手紙よりも、軽いタッチのメールのほうが長続きするかもしれません。まずはメル友探しです。

 人に読まれることが前提の文章は、日記とはまったく変わってきます。日増しに文章が上達していくでしょう。

 文章を書くことに慣れてきて、いよいよ自己表現欲求が高まってきたら、新聞や雑誌、ネットなどへの投稿や、ブログなどを始めます。

 もはや、「文章を書かない人生などありえない」というところまで脳が進化するでしょう。文章を書くことは、他のことでは代用できないほど深い喜びをもたらします。

 なお、文章がうまくなるためには書き続けることが一番大切ですが、文章読本のようなものに一度は目を通しておいたほうがよいでしょう。下記サイトは、ネットで学べる文章無料講座です。

  文章上達のツボ~悪文の直し方|準備・構成・推敲

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