漢字が面白くなる5つのヒント|漢字のへそ、好きな分野…
・漢字のヘソ
・人の読めない漢字
・好きなジャンル
・間違えやすい漢字
・漢字クロスワードパズル
違いが分かるへそを発見する
へそは体の真ん中にあって、小さいながら目印をつけたように存在を主張しています。漢字にもこうした「へそ」に当たるものを持ったものがありますから、それを発見すると覚えやすいだけでなく、漢字が面白くなってきます。例えば、「モナリザの微笑」の「微」と、「特徴のある顔」の「徴」は似ていますが、異なる部分が一か所あります。それがこの文字のヘソです。「微」のへそが微笑しているように見えたらしめたものです。漢字が好きになる資質があります。
もう一例。今注目されている「免疫力」の「疫」のヘソはどこでしょうか。病気関係を表わす「やまいだれ」の中にある「殳」、これがへそですね。「殳」は、歴史によく出てくる「○○の役」の「役」と同じ、「えき」という発音です。このように、漢字の中のヘソ探しをすると覚えやすく、また、漢字がだんだん楽しくなってきます。
人の読めない漢字を知っているのは楽しい
人の心の奥底はわかりませんが、周囲の人が誰も読めない漢字をいくつか知っているのは、やはり楽しいことではないでしょうか。そんなつもりで漢字学習をするのではない! なんてくそまじめに反発しないでくださいね。どういう目的で漢字を勉強しようとその人の自由です。私は、漢字が好きになるきっかけの一つとして、こういうこともあるだろうと、柔軟に考えているのです。
好きなジャンルの漢字から入る
「ずいぶん難しい漢字を知っていますね」と言われて、「いや、たまたまですよ」なんて応じながら、喜びを隠しきれない。こんな光景を味わうには、自分の好きなジャンルの漢字から入るとよいでしょう。専門分野で使われる用語はそれ自体がカッコいいものです。といっても、パソコンやファッション、洋食業界はカタカナ語ばかり。難しい漢字は歴史や古典文化に多く出てきます。例えば…
・子供の伝統的遊び……独楽(こま)、骨牌(かるた)、凧(たこ) ・茶道……茶筅(ちゃせん)、茶杓(ちゃしゃく)、点前(てまえ) ・歌舞伎……女形(おやま)、贔屓(ひいき)、桟敷(さじき) ・焼き物……益子焼(ましこやき)、信楽焼(しがらきやき) 常滑焼(とこなめやき) ・お祭り……祇園祭(ぎおんまつり)、流鏑馬(やぶさめ)、山車(だし) ・旅行(地名)……寒河江(さがえ)、先斗町(ぽんとちょう)、 石和(いさわ) |
比較的やさしいものを書き出してみました。次に、動植物の名前も難読漢字の宝庫です。
・動物(哺乳類)……貉(ばく)、羚羊(かもしか)、海豹(あざらし)、 栗鼠(りす) ・魚貝類……鰤(ぶり)、秋刀魚(さんま)、海月(くらげ)、 栄螺(さざえ) ・虫……虱(しらみ)、虻(あぶ)、蜥蜴(とかげ)、蟋蟀(こうろぎ) ・樹木……柊(ひいらぎ)、楡(にれ)、公孫樹(いちょう)、 合歓木(ねむのき) ・草花……馬酔木(あしび)、鬼灯(ほおずき)、女郎花(おみなえし)、 躑躅(つつじ) |
豊かな表情を持った漢字にワクワクしませんか? だいぶ当て字も入っていますが、昔の人のイメージ豊かな創造力には脱帽です。
間違えやすい漢字(誤読・誤用)を知る
趣味の世界から、実用の世界に戻りましょう。漢字テスト対策や教養という観点からは、間違えやすい漢字を集中的に学ぶのが効果的です。これがなぜ面白いかというと、不思議と同じような間違いを犯す漢字があるからです。
漢字のうろ覚えや勝手読みが定着すると、「自信を持って間違える」ということになります。漢字で恥をかくか、それとも恥をかかないで済むか、一種のゲームとして取り組むと、真面目な漢字トレーニングも楽しくなります。
よくありがちな読み間違い(誤読漢字)と、書き間違い(誤用漢字)の例を次に掲げておきます。
・月極(×げっきょく ○つきぎめ) ・礼賛(×れいさん ○らいさん) ・更迭(×こうそう ○こうてつ) ・釣果(×つりか ○ちょうか) ・汎用(×ぼんよう ○はんよう) |
・さっとう(×殺倒 ○殺到) ・しゅうかく(×収獲 ○収穫) ・しゃれ(×酒落 ○洒落) ・かんぺき(×完壁 ○完璧) ・あくたい(×悪体 ○悪態) |
漢字クロスワードパズルで遊ぶ
同じ頭を使うことでも、勉強ではなくパズルとなるとやる気が起きるものです。そこで漢字クロスワードパズルを解くことをおすすめします。初心者はあまり難しい問題には手を出さないこと。それから、要求されるのは漢字能力だけではないので、そちらのほうの能力も磨いてください。決してムダになる能力ではありません。
なお、漢字クロスワードを解くに当たって、漢和辞典や国語辞典をこまめに見るようにしてください。競技会ではないのですから、反則でも何でもありません。日本語に限らず語学は、辞書を引く回数に比例してその能力が高まるものです。
「得意科目」になればますます面白くなる
自分のことがあまり好きじゃない…なんて思っている人でも、心の奥底では自分が一番大好きなものです。特に自分が他人より優れている部分があれば、そこが好きになるのです。だから、苦手だった漢字が少しわかってくると、漢字が好きになってきます。そして、得意科目になりかけている漢字能力をもっと高めようとします。「平均的な人よりも優れている」と思えるレベルになれば、覚えることが快感になり、さらに高みに上っていくことが楽しくなるでしょう。
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