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漢字学習法―集中と継続、好きになること

(このページの内容)
・漢字能力のレベルや個性に合わせた
 漢字習得法(すぐ下)
書き取り練習は頭よりも手。集中力と継続力
漢字に強くなる特効薬は、漢字が好きになること
象形文字や形声文字など、漢字の成り立ちを知る

漢字能力のレベルや個性に
合わせた漢字習得法

 漢字習得法と大上段に振りかざしましたが、結論からいうと「万人に効果的な漢字学習の決定版」などというものがあるわけではありません。学校時代と社会人ではその目的が異なりますから、学習の対象も異なります。また、漢字のレベルでも、小学校低学年、高学年、中学生、高校生で効率のよい習得法は異なるでしょうし、同じ学年、同じクラスの漢字学習においても、児童・生徒の学力や性格、興味の対象などによって、個人差が出てきます。

 さて、そうなるとそれぞれの個人に合った漢字テキストを選ばなければならないということになりますが、これは能力別に編集された丁寧なテキストなら大きな差はありません。問題はどういうペースとインターバルで学習を進めるかということです。

書き取り練習は頭よりも手。集中力と継続力

 教育漢字や基本的な常用漢字の書き取り練習では、①お手本を見ないで書けるようになる、②テストで正解する、③無意識に勝手に手が動くようになる、の順を踏んで完璧なものになります。漢字の書き取りは道具や楽器と同じで、頭ではなく、体(手)で覚えるものなのです。

 漢字学習で大事なことは、集中力であり、それを繰り返す継続力です。もちろん、その人に合ったテキストというものがあるのかもしれませんが、集中力と継続力に比べれば大きな問題ではありません。

 なお、同じ漢字でもいろいろな熟語があり、異なって発音されることがありますから、単漢字で書けるものでも同音異義の漢字があると間違えやすくなります。漢字は必ず熟語で、用法を理解しながら書くようにして下さい。

漢字に強くなる特効薬は、漢字が好きになること

 何をするにも集中力と継続力が大事だということは、否定の余地がありません。しかし、これを能力だと考えるとおかしなことになります。集中力を一種の能力だと考える人は、「どうしたら集中力を鍛えられるか?」という発想に傾きます。でも、集中力は誰にでも備わっているものなのです。

 例えば勉強嫌いで落ち着きのない子供がいたとしましょう。その子はあらゆることに集中できないのでしょうか。たとえば、テレビやゲーム、スポーツ、バカ話、食事、アイドル、キャラクターグッズ、イラスト、マンガ、歌、ダンス…。この中に集中力を発揮しているものが一つや二つはあるはずです。

 つまり、年齢に関係なく、人は誰でも自分の好きなものには集中できるのです。「好きこそもの上手なれ」ということわざは誰でも知っていますが、これを意識的に実践している人はそう多くはないようです。「好き」とは感情で、理性でコントロールしづらいからです。そこで漢字を好きになるコツをいくつかご紹介しましょう。

 象形文字や形声文字など、漢字の成り立ちを知る

 小学校で漢字を習い始めたころ、山、川、木などの文字がそれぞれの絵(形)から生まれたことを教わったと思います。こうした成り立ちの漢字を象形文字と呼ぶのは常識ですが、象形文字は意外に多く、草、魚、亀、馬、象、鳥、女なども象形文字です。

 漢字の成り立ちは象形文字の他に、指示、形声、会意、仮借、転注があり、これらを六書(りくしょ)と呼びます。漢字がどうして生まれたかを知るのはなかなか面白いものです。

 例えば「指示」は、上、下などの文字で、水平線の上に棒を立てて印をつけたのが「」、下に棒を下して印をつけたのが「」ということになります。

形声」は、きへん(木)とか、うおへん(魚)、あめかんむり(雨)などの意味を表わす文字に、発音を表わす文字をつけて一文字としたものです。(ショウ)や(ウン)がその例です。

 ついでにもう一つ、「好き」という文字はどうか。「女の子が好き」でわかりやすいですね。でも成り立ちはそういう意味ではありません。「女」と「子」が組み合わさって、そのどちらでもない「好ましい」という意味の字が生まれたのです。これを会意文字と言います。清らかという意味の「」も、水(さんずい)と青の組み合わせで、会意文字です。

 こうしたことを知ることが面白いと思うか思わないかは、人それぞれでしょうが、漢字に親しみを感じ、また奥深さを知ることになれば、漢字学習に大いにプラスになるでしょう。具体的には、漢字を部首別に習うことによる効率アップが期待できます。何よりも、「漢字は面白いと思うこと」が一番で、記憶に深く刻まれるのです。

 
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