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 高校生の読書―受験対策にもなる賢い読書法   
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高校生の読書―受験対策にもなる賢い読書法

今さら、読書の大切さを説くつもりはありませんが…

 高校生の皆さんに、今さら「読書の大切さ」を説いたところで、「そんなこともう知っているよ」と言われそうですね。一般によく言われていることを集約すると、次の2点になると思います。

●読書は国語力や文章力の基本だから、しっかり本を読んでおいたほうがよい。
●読書は思考力を養うとともに、人間形成にも役立つので、青少年にとってとても大事である。


 そのとおりですが、どうも教育関係の偉い方々は抽象的なお話しが得意のようですね。そんなことを言われても、「本を読んでいる暇なんかないよ」というのが、大学受験を目指す人や部活で忙しい人の本音ではないでしょうか。

 国語の点数を上げるには、読書よりも受験対策の問題集にたくさん取り組むほうが効果的でしょう。受験勉強や部活の時間を減らしてまで、読書をするメリットは感じられない。将来よりも、いま抱えている問題が大事なんだ!…と言われたら、反論はできません。

「ねばならぬ」を「面白いから」に変えよう

 でも…ですよ。いちばん大事な時間を削らなくても、読書をする時間を何とか作れませんか? 知能の育ちざかりでもある高校生の時代に、少しでも本を読んでおくことが、その後のキミにとって大事なのです。読書時間をひねり出すことはそう難しいことではないはず。

 例えば、息抜きでテレビを見たり、ゲームやネット、メールなどに時間を費やしたりしている人には、1週間に数時間の読書タイムは簡単に作れるでしょう。また、電車通学の人は、あまり効率がいいとは言えない教科の勉強よりは、本を読むほうが有意義に楽しめます。

 つまり、読書を「青少年がすべき大切なこと」ではなく、「面白いからする」に変えれば、息抜きの感覚で習慣になるというわけです。

「名作」よりも読みたい本、役立つ本

 
 いちいち、「立派な人」のいうことに逆らうようですが、決してそのような意図はありません。読書習慣のない人に、いきなり名作をすすめるのはどうかな…ということです。名作の推薦には、どことなく「立派な人間を作る」というようなニオイがします。でも私は、まず本を面白いと感じて欲しい。そして、読むことが何かに役立ってほしい。今すぐでなくても、1年後には役立ったことを実感できる本がよいのです。

 読書の面白さを知った後は、日本史や世界史、政経、現代社会などの科目に関連した本とか、読解力を養うために少し高度な内容の本を時々は読んだりするのが、一石二鳥でおすすめです。中学生への読書のススメでは、「ミエを張るのはツマヅキの元」と書きましたが、高校生の皆さんは、時々は、ほんの少しミエを張るのがよいと思います。ミエを張る利点は、背伸び(=向上心)が自分を伸ばす、ということです。でも、無理は禁物。だから、時々、少しだけのミエでよいのです。

 読書をすると頭がよくなるというのは、日本語能力(語彙力、文法力、読解力、論理的思考力、想像力、表現力など)が鍛えられるからです。受験に役立つのはその一部だと思いますが、高校卒業後(大学生や社会人)にその能力がじわじわと発揮されることは確かです。

文章力は豊富な読書が土壌になる

 小論文や作文(エッセイ)がうまくなるためには、できるだけ文章をたくさん書くことが大切ですが、その土壌となるのが豊富な読書経験です。

 近年は、大学受験にも小論文や作文の試験が増えつつありますし、いずれ卒業論文や就職試験での作文なども待っていますから、文章力が養えるだけの土壌を作っておくことは必要です。いい大学を出ただけで評価される時代は、もう過去のものだということを皆さんは知っていますね。豊富な読書から生まれる日本語能力、とりわけ文章力と会話力がこれからの時代の大きな武器となるのです。

 私(管理人)の失敗と成功のお話を少しだけ…

 私が熱心に読書をすすめるのは、私自身の本を巡る失敗と成功の経験があるからです。小学校高学年の頃、私は月に10冊以上の本を読んでいました。学校が図書館教育というものに力を入れていたからですが、そのおかげで私の読書力(主に読解力)は常に2学年くらい上でした。

 でも、中学校の3年間でほとんど本を読まなくなってしまい、高校に入ってからそのツケが回ってきました。国語の成績の低下です。また、ものの考え方も幼稚でした。理系一辺倒だったことも関係しています。

 某国立大学の工学部に入学後、2年生になってから、私は実に7年ぶりに「本の虫」になりました。あまりミエっ張りではない私が、読書にだけは突然、ミエを張り、難しい本を読みまくりました。意味の分からない哲学書でも、とにかく読み切ります。そして、4年生の頃には、私の読書力と文章力は一流大学文系の卒業生に負けないレベルになっていたのです。この時の自信が、のちに私を編集者兼コピーライターへと導きました。
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